2017.7.17 山田将司×村松 拓

<Photos by AZUSA TAKADA>


【LIVE REPORT】

弾き語りイベント「ぴあ presents STAND ALONE supported by uP!!!」が7月16、17日に初の2DAYS開催された。

 海の日で祝日となった17日に登場したのは、山田将司(THE BACK HORN)と村松拓(Nothing’s Carved In Stone)。互いのツアーに呼ぶなど、バンド同士での交流も深いが、弾き語りのイベントでも何度か共演し、公私ともに付き合いがあるというふたりだ。個性的なヴォーカリストとしての魅力がぶつかり合うステージで、感情が揺さぶられっぱなしの一夜となった。

 ギターを手に、白いTシャツにジーンズの爽やかな姿で登場した村松拓。「みんなも緊張していると思うけど、俺も緊張してます」と語り、序盤から汗を拭きながらギターを奏で、タフで色っぽさもある歌声で観客をうっとりとさせたが、その行動は自由奔放だ。事前のインタビューで山田に「拓は何をしでかすかわからない」と言われた彼の弾き語りのスタイルは、その日その時の雰囲気を掴んで思うままに振り回すもの。弾き語りでのスタンダード「Stand by me」や、NCISの「ツバメクリムゾン」をパワフルに聴かせ、またその歌のリズムや緩急も、独自の間合いがあってドラマティックだ。「やる予定がなかった曲をやろうかな」とノートをめくって、10年くらい前に人生でいちばんじゃないかという恋をした時のことを歌った曲と「Sleepless youth」を優しく響かせたり、初の女性シンガーのカバー「木綿のハンカチーフ」も披露。じつは女性の曲をというのは、山田からのリクエストで、出番直前まで練習していたものだという。まさにSTAND ALONEでしか見られないステージとなった。

「大好きな後輩とふたりでできて、嬉しく思ってます」という言葉でスタートした、山田将司のステージ。THE BACK HORNの放つ、人間の心の深淵に触れる狂気的な世界観や姿とはまた一味違った、柔らかな佇まいで観客に語りかけ、村松とのエピソードで笑いを起こしたりと和やかだが、歌い出すとそれが一変。「冬のミルク」、「夏の残像」と、ソリッドにギターを奏で、ヒリヒリとしたテンションの高いヴォーカルで一息で会場を飲み込んでいく。凄まじい引力だ。360度のステージはストリップみたいだと語り、「STAND ALONE──ひとりで立つというのは人生のよう」と言って、「ピンクソーダ」で妖艶に、弾き語りで初披露の「無限の荒野」では合唱も巻き起こした。その一体感溢れる会場を感涙で包んだのは「きょう、きみと」と「キズナソング」。観客の心にダイレクトに突き刺さり深い部分で共振する、静かな高揚感に酔いしれるライブとなった。

 アンコールのセッションでは、仲良く腕を組んで登場したふたり。よく一緒に飲んでいるというのがわかる、程よくユルいトークに観客を巻き込みながら、NCISの「Shimmer Song」、THE BACK HORNの「美しい名前」、松任谷由実のカバー「真夏の夜の夢」をセッションしたのだが、このハーモニーが秀逸。2度スタジオに入り仕上げたという圧巻の二重奏と、ふたりの声の力で濃密な時間を締めくくった。

<文:吉羽さおり>


【SET LIST】

<村松 拓>

M1.Diachronic

M2.Stand By Me(Ben E. King)

M3.ツバメクリムゾン

M4.Adventures

M5.Sleepless Youth

M6.木綿のハンカチーフ(太田裕美)

M7.朱い群青


<山田将司>

M1.冬のミルク

M2.夏の残像

M3.ピンクソーダ

M4.無限の荒野

M5.きょう、きみと

M6.キズナソング

M7.花 〜すべての人の心に花を〜(喜納昌吉)


<山田将司×村松 拓>

EN1.Shimmer Song

EN2.美しい名前

EN3.真夏の夜の夢(松任谷由実)